「魔法学校」と聞くと、どんな世界を想像しますか?
不思議な呪文を覚えたり、個性的な先生や同級生と出会ったり。
一度くらい、そんな学校に通ってみたいと思ったことがある人もいるかもしれません。
では、そこにクトゥルフ神話的な狂気が入り込んだら、どうなるでしょうか。
作者のひよこもちさんが考えたのは、
「魔法学校にクトゥルフぶっこむの、楽しいんじゃない?」
ということ。
そうして生まれたのが、
『ロドケトゥスは海へ還った〜魔術学園入学試験殺人事件』
です。
5人のプレイヤーと1人のGMで、約3時間。
魔術学園への入学を目指す少年少女となって事件の真相を追う、ロールプレイと物語への没入感を大切にしたマーダーミステリーです。
ただし、ここで一つだけ大事なことがあります。
この作品の舞台は、正確には「魔法学校」ではなく「魔術学園」です。
そして、この世界では、「魔法」と「魔術」は同じものではありません。
この違いが、物語の根っこにあります。
この世界では、かつて人類は「魔法」を使っていました
遠い昔。
人類は神々と自然につながることで、「魔法」を使うことができたとされています。
それは、無理やり何かを支配するような力ではありません。
人と神々が自然につながることで生まれる、もっと調和的なものでした。
しかし、いつしか人類はその力を失います。
そして現代。
失われた力に、もう一度たどり着こうとする者たちが現れました。
それが、「魔術師」です。
ただし、その方法は古代の魔法使いとはまったく違います。
魔術師は、自分の精神を守っている「心の鍵」を、自ら壊します。
一度壊した鍵は、二度と元には戻りません。
つまり魔術師になることは、力を得るために、自分自身の正気を危険にさらすことでもあります。
それでもなお、魔術師になろうとする少年少女たちがいます。
なぜなのでしょうか。
何と引き換えにしてでも叶えたい願いが、彼らにはあるのでしょうか。
そんな少年少女たちが集まる場所が、魔術学園です。
そしてプレイヤーは、その入学を目指す少年少女の一人になります。
ただし。
その入学試験で――
殺人事件が起きます。
この作品で大切にしているのは、「犯人を当てること」だけではありません
マーダーミステリーは、それぞれが物語の登場人物となり、会話や調査をしながら事件の真相に迫っていくゲームです。
当然、この作品にも推理があります。
誰が何を知っているのか。
何が起きたのか。
誰を信じるのか。
それぞれが持つ情報をもとに、少しずつ真相へ近づいていきます。
ただ、作者のひよこもちさんに話を聞いていると、何度も出てきた言葉がありました。
「没入感」です。
ひよこもちさん自身、推理でバチバチに戦うタイプのマダミスも面白いけれど、自分が特に好きなのは「没入感型」だと話しています。
だから、この作品で目指しているのも、
事件を解くことだけではなく、その人物として物語を過ごすこと。
プレイヤーが演じるのは、魔術学園への入学を目指す5人の少年少女です。
一人ひとりに性格があります。
人間関係があります。
口癖があります。
そして、それぞれに事情があります。
誰を信じるのか。
何を話すのか。
どこまで自分のことを見せるのか。
その選択によって、その日の物語は少しずつ変わります。
用意された物語をただ眺めるのではなく、遊ぶ人自身も、その場の物語をつくる一人になる。
そこが、この作品で大切にされているところです。
「なりきるのが苦手」でも、入りやすいように
「キャラクターになりきってください」と言われると、少し身構える人もいると思います。
演技なんてしたことがない。
何を話せばいいのか分からない。
マダミス経験者ばかりだったら、ついていけないかもしれない。
そんな人がいることも、作者は意識して作っています。
たとえば、この作品ではキャラクターに「口癖」が用意されています。
どう振る舞えばいいか迷ったとき、とりあえずその口癖を言ってみる。
それだけでも、少しキャラクターに近づけます。
目指している難易度も、初心者から中級者が、キャラクターを楽しみながらゆっくり推理できるくらい。
ひよこもちさん自身、
「いっそ初めてでもいいと思っています」
と話していました。
マーダーミステリーを何作も遊んできた人だけの作品ではありません。
「マダミス、気になっていたけどまだ遊んだことがない」
という人にも、この世界へ入ってみてもらえたらと考えています。
逆に、高難度の推理だけを求めている人には違うかもしれません
これは、購入前にきちんと伝えておきたいところです。
『ロドケトゥスは海へ還った』は、
とにかく難しい謎を解きたい。
プレイヤー同士で論理をぶつけ合いたい。
という楽しみだけを中心に置いた作品ではありません。
もちろん、事件の真相を考える楽しさはあります。
でも、それと同じくらい、
キャラクターになること。
人間関係を楽しむこと。
その場で生まれる会話を楽しむこと。
物語の中で自分なりの選択をすること。
そうした体験を大切にしています。
こんな方におすすめ
● 魔法学園やクトゥルフ神話が好きな方
● ロールプレイを重視したい方
● 物語への没入感を味わいたい方
目指しているのは、「このキャラ、もう一回やりたい」
ひよこもちさんが、この作品について話していた中で、特に印象に残った言葉があります。
「このキャラ、もう一回やりたいなって思ってもらえるキャラクターを作りたいんですよね」
マーダーミステリーは、一度真相を知ってしまえば、基本的には同じシナリオをもう一度遊べません。
それなのに、
「このキャラクターをもう一度やりたい」
と思ってほしい。
事件だけではなく、その人物そのものを好きになってほしいということです。
実際、テストプレイでは、あるキャラクターについて「今までやった中でも三本の指に入るくらい好き」と言ってくれた人もいたそうです。
そして、この「キャラクターを好きになってほしい」という考え方は、ゲームの細かい部分にも表れています。
ラブレターは、最初から存在していたわけではありません
現在のゲームには、「ラブレター」という要素があります。
詳しく書くとネタバレになるので内容は伏せますが、これは最初から入っていたものではありません。
テストプレイをして、
もっとキャラクターを深掘りしたい。
もっと愛着を持ってもらいたい。
そう考えて追加された要素の一つです。
カードの情報も増えました。
ゲームの進行も調整されました。
説明の仕方も変わりました。
実際に人に遊んでもらい、その人たちが何を感じたのかを聞きながら、作品を少しずつ変えています。
制作方法について聞いたとき、ひよこもちさんはこんな例えをしていました。
「洗いたての犬ぐらいの細さにして、だんだん乾かして膨らましてる状態なんです」
洗いたての犬。
なかなか出てこない例えです。
でも、話を聞いていると妙に分かりやすい。
最初から要素を詰め込みすぎるのではなく、まず必要なものから作る。
そこからテストプレイをして、
「ここはもっとあったほうがいい」
「このキャラクターをもっと知れたほうがいい」
と分かったものを足していく。
そうやって、少しずつ「ふわふわ」にしているそうです。
作者だけでは気づけないことがあります。
初めてその世界に触れた人だからこそ、見えるものもあります。
テストプレイに参加した人たちの視点を受け取りながら、この作品は育っています。
魔術師たちは、なぜそこまでして力を求めるのでしょうか
この作品の土台には、かなり不穏な世界があります。
魔術師になるためには「心の鍵」を壊さなければならない。
一度壊してしまえば、元には戻れない。
それでも魔術師になろうとする少年少女たちがいる。
この設定を聞くと、一つ気になることがあります。
そこまでして叶えたい願いって、何なんだろう。
もし自分だったらどうでしょうか。
どうしても叶えたいものが一つあったとして。
そのためには、自分の人生そのものが変わってしまうかもしれない。
それでも、その道を選ぶでしょうか。
この作品では、プレイヤーがそんな少年少女の一人になります。
だから、彼らが何を考え、何を選ぶのかは、単なる設定ではありません。
遊ぶ人自身が、その人物として向き合うことになります。
それなのに、作者は「学生時代を思い出してほしい」と言います
最後にひよこもちさんへ、
「ネタバレしない範囲で、この作品で一番伝えたいことは?」
と聞きました。
返ってきた答えは、
「学生時代を思い出して遊んでほしいです」
でした。
魔術。
狂気。
殺人事件。
心の鍵。
かなり重たい単語が並んでいるのに、学生時代です。
でも、話を聞いていると、その意味がだんだん分かってきます。
試験があります。
同級生がいます。
性格の違う人が集まっています。
人間関係があります。
誰かのことが気になったりします。
くだらないことで盛り上がったりもします。
「こういうやつ、クラスにいたな」
という瞬間があるかもしれません。
大人になってから遊べば、昔の自分を少し思い出すかもしれません。
今まさに学生なら、
「こういう人、いるな」
と笑うかもしれません。
魔術学園という、自分が実際には通ったことのない学校なのに。
なぜか少し、自分の学生時代とつながる。
そんな時間も、この作品で楽しんでもらえたらと思います。
『ロドケトゥスは海へ還った』作品情報
作品名
『ロドケトゥスは海へ還った〜魔術学園入学試験殺人事件』
ジャンル
マーダーミステリー
プレイ人数
プレイヤー5人+GM1人
プレイ時間
約3時間
推奨経験
初心者〜中級者向け
プレイ形式
オフライン
ゲームマスター
1人・シナリオ既読前提
配役
5人分のキャラクターを用意
性別による配役制限なし
パッケージ内容
カード・冊子
遊ぶために必要なもの
机・筆記具
あると、さらに世界観を楽しめるもの
魔法の杖
魔法の杖は必須ではありません。
でも、持っているなら。
せっかく魔術学園へ行くのですから、杖があったほうが少し楽しいかもしれません。
現在制作しているのはオフライン版です。
将来的には、オンラインでも遊べる形にできないか検討しています。
2026年10月17日、ゲームマーケット2026秋で頒布します
『ロドケトゥスは海へ還った〜魔術学園入学試験殺人事件』は、
2026年10月17日(土)のゲームマーケット2026秋にて頒布予定です。
出展は10月17日のみ。
ブース名は、
「幽界航路」
です。
予約・取り置きも予定しています。
そして当日は、作品を販売するだけではありません。
本編のネタバレをせずに、この世界をほんの少し体験できる、
「魔術学園入学試験」
を実施する予定です。
試験科目は、
呪文詠唱。
実際に呪文を唱えて、魔術学園の受験生を体験できます。
詳しくは、第二弾の記事でご紹介します。
最後に、まだ一つだけ答えていないことがあります
作品タイトルは、
『ロドケトゥスは海へ還った〜魔術学園入学試験殺人事件』。
ここまで読んでも、
「ところで、ロドケトゥスって何?」
という疑問は残っていると思います。
なぜロドケトゥスなのか。
なぜ「海へ還った」のか。
このタイトルが、物語とどうつながっているのか。
そこは、ここでは説明しません。
ぜひ物語を最後まで体験してから、もう一度タイトルを見てみてください。
そのとき、最初にこの名前を見たときとは、少し違って見えるかもしれません。












