一流の写真家達から審美眼を鍛える 『トップフォトグラファー~Episode1(後編)~』

「優れた写真とは何か?」とふと疑問に思っていて偶然見つけた「TOP PHOTOGRAPHER(トップフォトグラファー)」という番組。
写真について何の知識もないド素人おぐが、この番組から審美眼と英語力を鍛えようとチャレンジした感想記を投稿します。

前回の感想はこちら⇓
一流の写真家達から審美眼を鍛える 『トップフォトグラファー~Episode1(前編)~』

今回は第1話(後編)の感想です。
下のYouTubeの12:35~21:46までの動画の流れや感想・和訳を書きます!

アスリートのアクション撮影を終え、若き写真家たちはどの写真を選んだのか?!
今回は彼らの渾身の一枚を丁寧に見ていきたいと思います。

フォトグラファーたちが選んだ写真とは?!

5人の写真に対して、審査員の評価とおぐの評価を交えながらお伝えします。
審査員は前編で紹介したDAVID BERGMANと、新たにスポーツコメンテーターのBEN LYONSが登場しました。

ANDREW KEARNS(アンドリュー・カーンズ)

スタジオ撮影未経験でかつ一番最初に撮影に入ることになってしまったアンドリュー。
彼が選んだ写真は、フェンシングの剣の突く姿を上から捉えた一枚でした。

≪審査員の評価(意訳)≫

片足が写っていないのが残念。アクション写真は全体のパーツが必要で、しかも下からの撮影がベストなのだが、これは上から撮影している。スポーツ写真は一瞬のショットが命なので、その一瞬のマイルスの表情を上手く切り取っているという点では素晴らしい。アクションとポートレイトの両方が上手くマッチしている写真になっている。

≪おぐの感想≫

マイルスの表情をとても良く捉えた写真です。ですが、少し惜しい!フェンシングの剣をもつ手にピントを合わせたらもっと出来の良い写真に仕上がっていたと思います。さらに突きの姿勢を意識するならば、剣先をカメラに向けた構図であった方が良かったでしょう。とはいえマイルスの表情は素晴らしいです。瞳から何かを語りかけてきているようです。これがアクション写真ではなくポートレート写真であったならば、訴求効果が高い一枚といえるでしょう。

CHRIS PALERMO(クリス・パレルモ)

マイルスのポージングにこだわりを持って撮影に臨んでいたクリス。剣を後ろ手に持ち、斜めに構えたマイルスの写真を選びました。

≪審査員の評価(意訳)≫

剣先を曲げた持ち方をしていることによってパワフルな印象を与えている。しかし、今回はアクション写真が課題である。クリスの写真は静止画であり、アクションとしての要素はない。

≪おぐの評価≫

クリスの写真は、まるでラスボスに挑む前の剣士みたいなカッコよさがあります。何かを守ろうとする確固たる覚悟を彷彿とさせる写真なので、アクション写真としてはテーマに沿っていませんが、何かのセリフ付きポスターやcmとして利用するなら大いに需要がありそうです。

SCOTT BORRERO(スコット・ボレロ)

終始にこやかにマイルスを楽しませようと取り組んでいたスコット。彼の選んだ写真は、陰影を強調させた突きの姿勢の一枚でした。

≪審査員の評価(意訳)≫

全体的に暗く影が多すぎるとの辛口コメントと、励ましのコメントが両方ありました。ナイジェルがスコットに対して伝えた励ましのコメントが素敵だったので、ここで和訳チャレンジ。

I love the fact you tried to sell us on the fact that you did that on purpose.
That’s a great thing to do though because regardless of whether it’s right or not or whether it was a mistake or not.
I think that you need to always sell your picture and love your image.
自分の目的を大切にして挑んだ事実を承認します。正しいかどうか、間違っているかどうかに関わらず、それは素晴らしい事です。
常にあなた自身のイメージを愛してあなたの写真を撮り続けることが大事だと私は思います。

≪おぐの感想≫

多くの人がカッコイイと思える写真です。光の挿す方へ目線を向けて剣を付く姿には否が応でもストーリー性を感じます。さながらプロデューサーの如く、どうすればよりカッコよく、よりインパクトが与えられるか?をイメージして写真を撮っているように感じます。

ROXY RODRIGUEZ(ロキシー・ロドリゲス)

ロキシーの写真は、撮影スタジオ全体を背景として活かした、マイルスの振り向き姿の一枚となりました。

≪審査員の評価(意訳)≫

最高の写真。これ程ワクワクする写真を見たことがない。おさまりの良い写真もたくさん撮っている中で、敢えてこの写真を選ぶとは。楽しさ・躍動感・スポーツらしさ・リスクを恐れない気持ち。全てが素晴らしい。よっぽどのセンスがないと選ばない写真である。

≪おぐの感想≫

構図もマイルスの配置もスタジオ内のパイプの赤色のアクセントも全てが秀逸でした。雑誌の表紙になってもおかしくないくらいです。フェンシング中にはあり得ないポーズではありますが、躍動感が伝わる見事な写真です。

前回の記事で取り上げたマイルスのインタビュー動画で、彼のフェンシングスタイルについて
「フェンシング選手のほとんどは非常に戦術的なスタイルだけど、僕は99%がフィーリング。僕のスタイルは型にはまっていないけどうまくいっている」
という発言があったのですが、まさにその言葉を写真で表現しているかのように感じました。

お見事です。

JAMIYA WILSON(ジャマイヤ・ウィルソン)

最後に撮影を行ったジャマイヤ。誰よりも時間のある中で戦略を立てた末に選んだ写真は、ディフェンスの瞬間を捉え、全身と剣の先までうまく収めた作品でした。

≪審査員の評価(意訳)≫

前進しているのか後退しているのかが分からない。なおかつスニーカーが目立ってしまっている。これではまるでスニーカーの宣伝写真のようだ。

≪おぐの感想≫

ジャンプの瞬間をとらえていて構図も良いと思うのですが、ストーリー性を感じることが難しい写真でした。何かが足りないと感じさせるのですが、スニーカーの宣伝としては抜群なので、宣材写真がジャマイヤの写真のスタイルなのかもしれません。

誰が勝利し、誰がこの場を去ったのか・・・?

それぞれ個性豊かな作品たちでした。

この5枚の中で、最も優れた写真は何だったのか・・・?

はたまた、今回落選してしまった写真は何だったのか・・・?
下位1位と2位のうち、片方の落選が言い渡される前の審査員のメッセージが写真家としてだけではなく、生きる上で気を引き締めたくなるメッセージだったので、一部を和訳チャレンジします。

I still feel it for your guy’s photos, I don’t know if you had fun.
Maybe you were stressed, maybe you’re crunching for time, maybe didn’t vibe with Miles…wasn’t the same experience that winner had on a shoot.
あなた方の写真からは楽しさが伝わりません。
もしかしたら緊張があったのかもしれませんし、時間が短すぎたかもしれませんし、マイルスと盛り上がれなかったのかもしれません・・・優勝者の写真を見た時と同じような体験には残されませんでした。
※動画ではwinner(優勝者)の部分は実際の名前が掲載されているのですが、ここでは名前を伏せたいのでwinnerと置き換えました。

You’re both here for different reasons. I think one of you tried to do too much and the other one maybe didn’t do enough.
あなた方は異なる理由でここにいます。片方は挑戦しすぎ、もう片方は十分な挑戦をしなかった。

You spent to know very little time getting to know him.
You somewhat ignored him at the beginning of the shoot, and only towards the end of the shoot did you start have fun.
あなたは、彼(マイルス)を知る時間をこれっぽっちも持ちませんでした。
撮影開始時にいささかマイルズを無視していましたし、撮影の最後になってもあなただけが楽しんでいました。

I think that you were rushing yourself. You gave yourself a far too much to do was it almost an impossible task.
Any one of those ideas would have been brilliant.Because you failed on one of them the whole thing went to pot.
あなたは(撮影中)、あせっているように感じました。あなたは自分でひとりでにたくさんのやることを作り、結局処理しきれなくなっていました。
できることを一つ一つやることが成功への道です。今回あなたはやれることの一つで失敗し、全体を台無しにしました。

結果発表は動画の19:39~をご覧ください。

 

Episode1後半の感想

今回のテーマはアクション写真でした。

アクション写真を捉える上では
動きの一瞬をとらえる事。パワフルさを出すならば、下からの撮影が効果的である。
ということを学びました。

そして何より、モデルの良さを引き出すのには
コミュニケーションが肝心!
であることも学びました。

今回私が最も惹かれたのはロキシーの写真です。
彼女の写真のセンスはもちろんのこと、彼女の撮影スタイルはとても穏やかで、マイルスの自然な表情を引き出すのが上手と感じました。

アクション写真であるからには、アスリートの本質やスポーツの価値を訴えられる写真が美徳なのかもしれません。
そのためにはモデルが写真家に心身を預けられるような人間力が写真家には必要なのかもしれませんね。

大変興味深いテーマでした。

和訳チャレンジをしてみて・・・

聞き取り能力の低さを痛感しました・・・。
訛りっぽい発音があるよな気もするし、ないような気もするし、それすらも分からないくらい、文字起こしに難しさを感じました。
自動翻訳機能って素晴らしいですね。この機能があるおかげでニュアンスだけでも掴みたいって思えるようにもなるし、続きを見たいって思わせてくれます。

最後に、ナイジェルの写真観を感じる発言がありましたので、今回はこの和訳チャレンジで締めたいと思います。

I do believe that a great shot has a narrative.
There’s something in there that when you see the picture it tells a story.
素晴らしい写真はストーリー性がある。素晴らしい写真を見ると、ストーリーとして語りかけてくる何かがそこにはあるものです。

 

ご愛読ありがとうございます。
次回もお楽しみに★

関連記事

PAGE TOP